おちこんでいた俺… 自信のなかった俺… その俺がこんなにしあわせなのはこのオヤジがいたからだ。 大工の憲司の胸に,中学2年のころの悲しい日々が,何故か 懐かしく思い出される。
かつては私たちの周囲に,人間の在りようを,生き方を,ごく自然に,子供達に指し示すことの出来る親たちが入ました。そしてそれが,目に見えない,理屈でない進路指導にもなっていました。
この映画は,厳然と横たわる学歴社会の中で,おちこみ自信を失いがちな我が子に,"君は素晴らしい"と,その能力を引き出し,勇気を与えたオヤジ(大工さん)の実話の物語です。登校拒否,高校生の中退,モラトリアム人間と言われる若者達が増えつづけている社会で,この親父の家族愛の物語は色々な示唆にとんでいます。
利のみにさとく,ずるがしこい人間が増えている今,人間が人間らしく真撃に純粋に生きることの素晴らしさ,そして,しあわせとはなにかということを,このすがすがしいドラマの中から考えてみたいのです。
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